ちょっと過激なタイトルとなっていますが、厳密には「ウソ」ではありません。
しかし、お客様の立場からすると「ウソじゃん!」と思える内容です。

正直、大規模ソーラーの場合はさほど影響を受けない可能性もありますが、
ソーラーの規模が小さくなればなるほど「これからお伝えする内容は深刻になっていく」と思います。

前回(Part1)の続編となります。
前回は「保証期間が切れた事例」に対し、今回は「保証期間内で起きた事例」となっております。

前回の記事をご覧でない方は、
https://tsukamoto-re.com/574/
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「保証期間内だから安心!」と思われた方。
選択するメーカーによってはドツボにはまるかも知れませんのでご注意くださいませ。


※これからするお話はあくまでも個人的な見解でございます

事例2 保証期間内の太陽光パネル

細かく話しますと長文になりますので、要点のみお伝えします。
2024年9月にお客様より「発電量が落ちてきた気がする」とのご依頼を受け、9月23日に現地にて調査を行いました。

お客様の予感は的中しておりまして、パワコン1台に不具合が確認され、更にパネル5枚にクラスタ故障の疑いが出ております。
※パワコンは国内メーカーのため早々に無償対応で決着しました
こちらもPart1で説明した点検方法を行っているため、正直、上写真の様なサーモカメラの状態になった時点で「不具合が確定」している訳ですが、ここまでの情報だけでは殆どのメーカーが「不具合として認めない」です。

※Part1の検査方法をお知りになりたい方はこちら
https://tsukamoto-re.com/574/
仕方がないので、例によってパネルの開放電圧測定を行います。
上写真は「正常」なパネルの電圧値(33.65V)です。
カタログ値の開放電圧は37.4Vとなっていますので、実測値としては妥当なラインかと思います。
続いて、先ほど写真をアップした「サーモカメラで温度異常が出たパネル」の開放電圧値(22.39V)となります。
先ほどの正常値(33.65V)と比較しますと約66.5%の出力となりました。
キレイに1/3の出力ダウンが起きており、典型的なクラスタ故障によるバイパスダイオード作動の現象です。

メーカーからの想定外の回答

Part1では製品保証の10年を超えていた(11.5年)ため保証対象外の扱いでしたが、
今度は2025年3月18日まで製品保証がありますので、問題なく代品が送られてくるでしょう・・・
との事で何の心配もなく修理依頼申請をしたところ・・・

が!しかし!

個人的には「これはダメでしょ!」という残念な回答が返ってきました。


<補足説明>
私共の会社と太陽光メーカーの間に「代理店(商社)」が入っております。
不具合報告の流れは、私共の施工店→商社→メーカーとなります。
よって、不具合に関しメーカーと直接やり取りはできず、間に入っている商社とのやり取りとなります。(下記メール文も商社からのものとなります)


※公開不可の部分は「**」で記載しております
※見やすくするために一部文章を強調しております

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有限会社塚本空調設備 様

お世話になっております。
モジュール不具合のご連絡をいただきました【****様】につきまして、
ご迷惑をおかけし申し訳ありません。

今回の不具合につきましては保証対象との判断になりました。
但しモジュール在庫がございませんので本保証書「救済措置」の項に記載されております、
「残存市場価格」の支払金額をお支払いさせて頂く対応となります。

ー以下本文削除ー

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なに? 救済措置? 残存市場価格?
正直何のことだかさっぱり分からず、保証書をよ~~~く見てみると、
確かに書いてあります!
「当該製品が本保証に適合しない場合、当社は自らの選択により、当該製品の修理もしくは交換、または補償のいずれかを行います。」

確かに「補償」とは書いてあるものの、メール分に書いてある「救済措置の項に記載」の「救済措置」という項目自体がどこにもない訳ですが、一体何のことか分からずに質問をしたところ、次の返答が来ました。


========================
有限会社塚本空調設備 様
 
お世話になっております。
 
本件、再度確認したところ、****保証加入されていることが確認できましたので、
残存価格ではなくモジュール代品で対応を進めさせていただきます。
誤った案内となり申し訳ございません。


ー以下本文削除ー
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これ、どういうことかと言いますと、このお客様は「商社個別の保証に加入されていた」ため、メーカー保証のみでしたら残存市場価格での支払いとなっていましたが、商社の個別保証により、奇跡的に代品提供してもらえることとなりました。

要は、「メーカーは保証しないけど商社が面倒見る」という事です。

という事は、今後、メーカー保証書のみの場合は今回みたいな事(救済措置)が起こり得るわけで、恐ろしい話です!


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ここから先は、「もし今回の事例がメーカー保証書のみだったら?」と仮定して話を進めさせていただきます。
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因みにこのメーカー、海外メーカーですが産業用の太陽光ですと結構なシェアを取っているのではないでしょうか?

要は、「故障したパネルはとっくの昔に生産中止して在庫もないため、お金で解決します」という訳ですが、公開はできないですけど、個人的にはこの解決金(残存市場価格)の算出方法がは気に入らないです!

そして、このメーカーが算出してきた金額は、「34,000円」でした。

因みに、34,000円はパネル1枚の金額ではございません。
なんと! パネル5枚の金額なんです!
1枚あたり6,800円です!

救済措置がないよりかマシですが、正直、製品保証の期間内は同等品を提供して欲しいと私は思いますが、皆様はいかがでしょうか?

いったい、誰のための救済措置なのか?

よ~~~~~~く考えてみてください。
一般的な話として、保証期間内に製品が故障した場合は、当たり前のように「原状復帰出来る」とお考えではありませんか?

逆に、保証期間内で原状復帰できない出来ない例ってあるのでしょうか?

上画像の「製品25年保証」と言われたら、
「25年は安心」だと思うからそのメーカーを選ぶのではないでしょうか?

仮に、「製品25年保証」の製品で「設置して7年目で故障」した場合、
お客様の立場ですと「元に戻るのが当たり前」と思いませんか?

それが「保証期間内ですが生産中止で代品供給も出来ないんで、はい、救済措置で1万円♪」なんて言われて、「良かった~~~!」て言う方はおられるのでしょうか?


これ、別の商品で考えてみてください。
例えばエコキュートの様な給湯器です。
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仮に、市場価格が50万円のエコキュートで延長10年保証に加入したとします。
そして、設置してから7年目で「お湯が出ない」故障が発生しました。
あなたは、「お湯が出ないのは嫌だけど、修理したら元に戻るから延長保証に入って良かったよ~」と思いつつメーカーへ修理手配しました。

翌日、メーカーのサービスが到着し現状を確認した結果、「お客さん、残念ですが部品がないため復帰できません。 よって、保証規定に書いてある救済措置が適応されますので残存価値で計算されます。 お客さんの場合は5万円です。」
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この状況で納得できるでしょうか?
お金を渡されても「お湯が出ない」事に変わりがないわけで、何の解決にもなっていないのはお分かりかと思います。
お湯が出るようにするためには、商品を交換するしかない訳です。
この状態で保証は成立しているのでしょうか?

因みに、今回のお客様(産業用ソーラー)の場合は、「この先の売電収入が減る」という事になります。
具体的には、固定買取期間の残り年数を考慮しますと、1枚あたり約9万円(5枚合計で45万円)の売電収入が減る事になります。
救済措置の34,000円では全く足らない訳です。

私が思う保証というのは、「その期間内は購入した製品のサービスを受け続けられる権利」だと認識しております。

代品さえ提供してもらえれば残りの期間で45万円の損失が無くなるわけですが、34,000円を受け取れば41万円ほど損をします。
お分かりでしょうか? メーカーは保証維持の義務を「放棄できる権利がある」訳ですよ。

メーカーが倒産した場合に、第三者機関が残存価値にて計算しお金を支払うという「救済金」であれば、消費者側からすれば筋が通るかと思います。
ところが、メーカが健在でしかもメーカー都合で製品が変化しているのに、「昔の製品はもう生産できないからお金で解決」というのは、、、しかも製品の保証期間内でこんな事ができるなんて、正直、私の感覚では「あり得ない」と思っております。

救済されているのはお客様ではなく、メーカーではないのでしょうか?

まとめ

Part1の事例も含め、太陽光パネルの保証制度は「記載されている内容(長期保証)は素晴らしい」ですが、いざ保証の権利を行使しようとしますと、「手間もお金もかかる上に恩恵は非常に少ない」気がしてなりません。

現在流通しているパネルは殆どが海外製でありますので、今後も保証規定が改善されることはないかと思われます。であるなら、今後は自分の身は自分で守る以外ない訳であります。

事実、製品10年保証の期間内であっても「在庫がないため救済措置(お金で解決)」と平気で言ってくる訳です。
であるなら、「製品保証が15年だから安心」とはならない事はお分かりかと思います。

なら、どうすれば良いのか?
正直、既に設置されている方への対策はございません。

でも、これからご検討の方は対策ができます。


■これから事業用(産業用)ソーラーを運営する方

最初から保守メンテ用に予備で何枚かパネルを持っておくことをお勧めいたします。予備でストックするパネル枚数は設置規模に応じて異なります。

では、「予備のパネルをどのタイミングで用意すればいいか?」と言いますと、「最初」です。
ここに関しては間違いありません。
もう一度言います。パネルが一番安く購入できるチャンスは「新規設置する時」でございます。

設置後にパネルが割れたなどで交換する時の保守用パネルは、正直「高い」です。


■これから住宅用ソーラーを設置される方

住宅用ソーラーの場合は設置枚数が少なくなるため、予備でパネルをストックする事はいたしません。屋根にあると気付きませんが、パネルは1枚は結構デカイです。
予備のパネルを置くスペースを確保するにも大変かと思います。

住宅用の場合は、「国内メーカーをご選択された方が無難」です。
国内メーカーと言えば色々浮かんでくるかも知れませんが、私の知る限り、国内で工場を持って生産しているメーカーは1社だけだと思います。

そのメーカーの担当者さん曰く、「うちは保証対象か否かに関わらず、過去に販売した太陽電池のオーダーメイドでの供給が可能です」との事。

住宅用はパワコンの種類にもよりますが、機器の構成上、1枚減るだけで発電量がガタッと落ちる危険性も出てきます。
その場合、元の性能を維持するためにどうしてもパネルが必要になりますので、「お金で解決」は住宅用には向かない保証のため、国内メーカーと「そのシステムが完全に壊れるまで長い付き合いをされた方が良い」と私は思います。


何れにせよ、入口(価格・見た目の保証)ばかりで判断されますと、入った瞬間に崖下に転落といった事になりかねません。 太陽光設備は本来なら長期使用可能な商品でございます。
従って、出口(品質・サポート体制)に焦点を当ててご検討された方が、長期的には得になっているかと思います。


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愛知県の瀬戸市と尾張旭市、長久手市を中心に太陽光発電・蓄電池の販売・施工・メンテナンスを行っております。
「最近、売電収入が減ったような気がする・・・」とお感じの時は、「パワコン」や「太陽光パネル」の不具合が起きているかも!
当社は不具合対応の多数実績がございます。調査が必要かどうかの判断もお問い合わせ頂ければすぐに分かります!
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